宇佐見の日記

宇佐見のブログです 読んだ本のことや考えたことを書きます

ドラクエの転職はおかしい と思ったけど、、

ドラクエに限らず転職というシステムがあるゲームがある。
RPGなんかで、これまでのジョブ(職業)を変更できるというものである。
例えば、レベル1から戦士をやってきた筋骨隆々のマッチョな男戦士が、いきなりローブを羽織った老魔法使いになるといったことがある。
 
ドラクエ3初プレイ時(小学生のときだった)には、とくに違和感もなく、
 
「魔法も使える戦士できるやん!やった!」
 
とか思っていたと思う。これが製作者の意図であろう。小学生は単純なのだ。
 
しかし、いま十数年時が経って思うのは、そんな簡単に転職できるんか。ということである。
通常、未経験の業界(戦士 -> 魔法使い)に転職するには、20代の若者か経験者という条件が必要になってくると思う。
しかし、レベル20の戦士(ドラクエ3では転職はレベル20からである。)というのは、パーティ的には戦力の中心であり、一般企業では8~10年目の中堅どころといったところであろう。年齢にして30代に差し掛かったところか。
そんな人間が、「俺、魔法使いになるわ」といってすんなり転職できるだろうか。
 
まず、パーティメンバーに反対されるかもしれない。
 
勇者「今君に抜けられると困る。君以外にキラーエイプの攻撃を受けきれる人間はいないんだよ」
盗賊(女)「そうよ、勇者だけじゃ前衛が不安だわ!」
僧侶(男)「いまから他業種はヤバイって。適正なかったらどうすんの?自分の年令(レベル)考えようよ」
 
次に、戦士はまごうことなき未経験者である。マジックポイント(MP)が0だ。この時点で適正はゼロに等しい。
 
「なるほど、魔法使いをご希望されるわけですね。前職ではなにをされていました?」
「レベル1から戦士をやっておりました。体力には自信があります!」
「でもこの仕事体力は必要ないんだよねえ、、、なにか魔法つかえる?」
「いえ、一切つかえないです。。。」
 
しかし、それでも彼は魔法使いに転職する。
もちろん、レベルは1に戻るし魔法も使えないパーティのお荷物になるわけだ。
最初は転職した彼も不安だろう。今までの武具は装備できなくなるし魔法も使えない。慣れない杖装備に戸惑う。自分には魔法の素質がないかもしれないと毎晩悩み、枕を濡らすかもしれない。
しかし、メンバーのサポートによって、めきめき成長し魔法も覚えただの魔法使いでなく、前職での培った体力を持った高付加価値の魔法使い人材となるわけだ。
そうなれば、当然パーティを抜け、もっと実入りの良いパーティを探すということも考えるであろう。(我々の世界で言う転職だ)
しかし、彼はそれをしない。いままでのパーティで魔王を倒す最後まで結果を出し続けるだろう。
なぜなら、彼はその環境で正当な評価と、報酬を受けているからだ。
 
ゲームの中では淡々と進められる転職だけど、きっと上のような苦悩と葛藤があるはずだと思う。
そして、勇者パーティはきっと素晴らしいベンチャー企業みたいなもんなんだろう。ベンチャー企業のことはよく知らないけれど。僕の勝手なイメージである。
 
 
でも、プレイヤーの一存ですぐメンバー入れ替えたりできるんだけどね。
そしてこんな話は誰かとっくに考えてそう。